【IR取材】ジモティースポット脅威の拡大の裏側に迫る。事業責任者&CFOインタビュー
5年の検証期間を経て新規事業が急拡大するジモティー。この新規事業『ジモティースポット』の拡大で30年に売上を最新期の7.9倍まで伸ばす、非常にアグレッシブな事業計画が公表されました
本日はそんな市場参加者の中で急速に注目を集めるジモティーのCFOである堀さん、ジモティースポットの事業責任者である野村さんのお二人に、ジモティースポットの競争優位性、足元の業績や手応え、事業計画の達成に向けた論点についてお話をお伺いしていきます。
*予定時間をオーバーし2時間弱に渡り取材をさせていただいたジモティー様、本当にありがとうございました!

2024年12月期 通期 決算説明資料
本日のインタビュイー
*以下略敬称
〈Profile〉堀 直之
取締役 コーポレート担当
関西学院大学社会学部卒業。2007年大和証券SMBC株式会社に入社し、公開引受等の投資銀行業務に従事。 2013年より株式会社もしも、株式会社ROXX等のスタートアップにて、CFOとして資金調達、バイアウト、新規事業開発等を経験。 2023年10月株式会社ジモティーに入社し、執行役員を経て、2025年取締役に就任。
〈Profile〉野村 康二郎
ジモスポ事業部/VP
大学卒業後スタートアップベンチャーでの営業責任者を担当後、株式会社レインズインターナショナルに入社しフランチャイズ事業統括責任者としてFC事業の急拡大を実現。その後数社での事業責任者等を歴任後、2018年2月よりヘルスケア・ウェルビーイング事業の事業開発責任者として全国の出店開発、業務提携等に従事。2024年2月ジモティーに入社。ジモスポ事業フランチャイズ部門の部長を経て、2025年4月にVPに就任。過去バンドを組んでいて楽器が大好き
ローコスト、低価格販売、高在庫回転率を徹底したビジネスモデル
ーーーーー本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは簡単に会社と事業の紹介をお願いいたします
堀:ジモティーは『地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ』という経営理念のもと、 地域生活における課題を解決することを目的に事業を運営しています。
主力サービスはC2Cの地域の掲示板『ジモティー』で、ユーザーは無料で物品を譲渡・売買できるほか、求人、不動産、イベントなど、地域のあらゆる情報を投稿・閲覧可能です。
1000万人以上の月間アクティブユーザーを有し、特に「地元でモノをあげる/もらう」というユニークな体験により、ユーザーのロイヤルティとリピート率が高いのが特徴です。主な収益源は、不動産・求人・中古車などの有料掲載、広告、業務提携による送客手数料です。
加えて、近年は「ジモティースポット」という店舗型の新規事業にも取り組んでおり、これが全社の成長ドライバーになっています。

2024年12月期 通期 決算説明資料
*ジモティーさんの事業の詳細については過去の以下の記事をご覧ください
ーーーーー現在新規事業の『ジモティースポット』が市場で大きな注目を集めていますが、そもそもこの事業はどのようにスタートしたのでしょうか?
野村:我々は不要品・リユース品取引の仲介を行うことを生業としています。その不要品やリユース品が集まる場所がどこなのか、それを突き詰めて自治体のクリーンセンターに辿り着きました。
このクリーンセンターに粗大ゴミとして回収される前にジモティーとしてお預かりできれば、ジモティーのユーザーさんやゴミを削減したい自治体さんに、新しい価値を届けることができるのでは?と考えたのがスタートしたキッカケです。
自治体さんと協力してどれだけのニーズがあるのか検証しようということで、世田谷区に施設を開けたところ想像以上に不要品の持ち込みがありました。
ーーーーー収益源はどのようになっているのか教えてください
野村:基本的には持ち込まれた不要品の販売収益です。特定のカテゴリに売上が依存しているわけではなく分散が効いてますが、強いていうなら家具家電や子供用品はよく売れていますね。
お持ち込みいただくものの中には、他のリユース事業者であれば引き取ることが難しいような再販価値が低いものが大半で、それをリユースしています。買取は行っていません。

2024年12月期 通期 決算説明資料
ーーーーー私も店舗にお邪魔したことがあるのですがスパナが¥100で売っていたり通常のフリマアプリで売られているような商品が半額程度で売られていて非常に驚きました。ユーザーとしては嬉しいですが利益が出ているのか気になったのですが、なぜこのような低価格の販売で成り立つのでしょうか
野村:例えば、持込ユーザーは各自治体のHPや広報誌から、購入ユーザーはジモティーアプリから集客することにより、一般的な小売店でかかっている広告宣伝費を削減しています。
また、このジモティーの集客力があるが故に場所をあまり選ばずに出店することや、自治体施設や企業様との連携で地代家賃負担も抑えています。
このような企業努力でコストを抑えながら、できる限り低価格で商品提供し、リユース量とごみの削減量の最大化を目指しています。
ーーーーーそういえば川崎菅生店も駅から非常に遠かったです
野村:そうですね、ジモティーでユーザーさんを抱えているからこそ場所を選ばずに出店できるのは非常に大きいです。
通常の店舗型のリユースショップは売り手と買い手が集めやすい場所に出すのが基本ですが、駅前の一等地でなくても集客が可能になっています。
ーーーーーちなみに直営だけでなくFCでも出店されているかと思いますがこれはどのような収益構造でどちらを優先するなど方針はあるのでしょうか
堀:FC店舗では初期費用とロイヤルティーの二つがジモティーの収益となります。将来的に営業利益が最大化される方を状況に合わせて選択していく方針で、現状明確に優先度はつけていません。
属性としては一般廃棄事業者さんに加え、不動産屋さんやお菓子屋さんなど業種はバラバラですが、その地域に地盤を持つ事業者様にFCに加盟いただいてます。
FC加盟者様の本業との間にシナジーが生まれたり、出店した商業施設の館全体の大きな集客アップにつながったりと一定の手応えは感じられています。
5年間の検証でPMFにたどり着くまで
ーーーーー非常にユニークかつ興味深いモデルだと思うのですが立ち上げ自体は20年ですよね。5年かけてしっかりモデルを作り込まれた上で展開を進められていると思うのですが、どのように今のモデルにたどり着いたのでしょうか
野村:弊社も上場企業なので、当たるかどうかわからない段階では新規事業に大きな投資を行うことは当然ですができません。
そのため、最初は自治体さんに主導いただく形で物件等をご用意いただいていましたが、場所の広さや駐車場の数が限られていました。また、自治体さんにご用意いただける物件も年間30件〜40件と出てくるわけではないので、拡大スピードにも一定の上限ある状態でした。
この課題に対し、ある程度のペースで出店が行えて拡大性を担保できるというところから逆算して誕生したのが、現在多店舗展開している中型フォーマットです。

2025年12月期 第1四半期決算説明資料
ーーーーーこの中型フォーマットはこれまで世田谷や八王子で展開してきたモデルと何が異なるのでしょうか?
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績


