SaaS is Dead時代にアクティビストが狙う勤怠管理No.1SaaS『ヒューマンテクノロジーズ』

AIエージェントの時代にアクティビストが保有するSaaS企業
もやし 2026.03.08
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2024年12月、マイクロソフトCEOサティア・ナデラが放った「SaaSの時代は終わった」という発言は、SaaSセクターに対する見方を大きく変えるきっかけとなりました。

2026年にはAnthropicがAIエージェント「Claude Cowork」を発表。所謂「アンソロピック・ショック」により、SansanがYTD▲28.9%、マネーフォワードが同▲20.9%、freeeが同▲18.3%超と、国内SaaS銘柄がセクターごと叩き売られる事態に発展しています。

しかし、AIの影響を受けやすい企業も受けにくい企業も一律に売り込まれた結果、ファンダメンタルズに対して明らかに割安な銘柄が出てきています。

そんな市場に投資妙味を見出したのが米国のアクティビストファンド『VIS Advisors』です。同社は、東証グロース市場に上場する勤怠管理SaaSシェアNo.1の『ヒューマンテクノロジーズ』(5621)に対し、3月6日に大量保有報告書を提出。

本日は、AIエージェントの普及がSaaSにもたらす影響、割安SaaSに群がるPE・アクティビストの動向、そしてヒューマンテクノロジーズの強固なビジネスモデルと、利益率改善の道筋について考察していきます。

「SaaS is Dead」とAIエージェントがもたらす構造変化

ナデラの発言の真意

ナデラの発言を正確に引用すると「ビジネスアプリケーションは本質的にCRUDデータベースとビジネスロジックの塊であり、そのビジネスロジックは全てAIエージェントに移行する」というものです。

ユーザーがCRMや会計ソフト、プロジェクト管理ツールを個別に操作する時代は終わり、AIエージェントが複数のデータソースを横断的に操作する世界が来る——これがナデラのビジョンです。

ソフトウェアそのものが消滅するのではなく、SaaSのユーザーインターフェースと課金モデルが根本的に変わるということを意味しています。

従来のシートベース課金(1ユーザーあたり月額○円)は、AIエージェントが人間の代わりに操作するようになればID数が減り成立しにくくなります。これにより、SaaS企業の中には従量課金やアウトカムベースの料金体系にシフトする企業も出てくることでしょう。

AIがSaaSを脅かす2つのシナリオ

SaaSのビジネスモデルに対して投資家が懸念している脅威は、大きく2つあると考えられます。

1つ目はユーザー数の減少リスクです。AIエージェントが業務を自律的に処理するようになれば、SaaSを「操作する人間」の数が減ります。シートベース課金のSaaSにとってこれは直接的な売上減少要因になりえます。

2つ目は内製化リスクです。AIコーディングツールの進化により、ユーザー企業が自社でソフトウェアを内製するハードルが劇的に下がったと言われています。これまで「作るより買う方が安い」からSaaSを使っていた企業が、「AIで作った方が安い」に転換する可能性が出てきています。

一方、影響を受けづらい領域も存在していると考えられます。

野村證券投資情報部シニア・ストラテジストの村山氏は、AI時代でも収益拡大が期待できるSaaS企業の条件として、以下の4類型の企業を挙げています

  • データそのものがプロダクトの価値であるSaaS(法規制データ、業界固有のマスタデータ等)、

  • 物理世界との接点を持つSaaS(IoTデバイス連携、ハードウェア認証等)

  • コンプライアンスや規制対応が本質的な価値であるSaaS

  • 従量課金に転換できるSaaS

逆に言えば、「UIを提供しているだけ」「データの入力・参照が主機能」のSaaSは代替リスクが高いと言われており、BIダッシュボードやノーコードの業務アプリ作成ツールなどがその典型であると考えられます。

しかし、現状マーケットはそうした精緻な区別をせずソフトウェア・SaaSセクターがまとめてポイ捨てされているような値動きを、前述のように見せています。

セクター全体が「SaaS is dead」のナラティブで無差別に売られた結果、ファンダメンタルズに対して明らかに割安な銘柄が生まれた。そこに目をつけたのがPEやアクティビスト投資家です。

割安SaaSに群がるPE・アクティビストとVIS Advisorsの投資スタイル

アクティビストにとってのSaaS企業の魅力

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