優良ソフトウェア企業ヌーラボの急加速。利益3倍を実現する構造改革
プロジェクト管理SaaS「Backlog」を展開するヌーラボ(東証グロース・5033)は、製品そのものがグロースのレバーとなるPLG型の企業で、売上成長自体は緩やかであるものの、海外や新規事業への投資を行いながらも15%の営業利益率を実現する優良企業として知られています。
ところがそんな同社に急激な変化が起きています。3年間で売上高を1.8倍に拡大し、営業利益率も3年で8.1%→25.7%まで改善し利益は2.8倍とする意欲的な計画を発表。

中期経営計画(事業計画及び成⻑可能性に関する事項) 2026年2月
会社のDNAともいえる海外拠点も相次いで閉鎖し、主力製品の大幅値上げも断行。売上ではなく、利益・FCFのグロースを志向する企業へと変貌を遂げつつあります。
本日はそんな同社の効率的な成長を実現するビジネスモデルと、現在その真っ只中にある構造改革について考察していきます。
売上の92%を占める「Backlog」の強さ
ヌーラボは2004年、現CEOの橋本氏が福岡で創業したソフトウェア企業です。
橋本氏は高校卒業後に飲食業や劇団、音楽活動を経験し、父親の建築業を手伝いながらプログラマーへ転身した変わり種で、オープンソースコミュニティで出会った仲間と起業されています。
創業当初は受託開発を行っていましたが、表現の一環として自社プロダクトの「Backlog」、作図ツールの「Cacoo」、ID・セキュリティ管理の「Nulab Pass」等の製品を開発。
スタートアップとしては珍しく本社が福岡でありながら、13年にシンガポール、14年に北米、17年にはオランダと相次いで海外拠点を設立するなど、海外展開にも非常に積極的でした。
このようなユニークな製品・拠点の拡大を経て2022年6月に東証グロース市場への上場を果たしています。

2026年3月期通期決算説明資料
売上ベースではFY2026の43.9億円のうち約92%の40.4億円をBacklogが生み出しており、Backlogが実質的に同社を支えているプロダクトといえます。
その顧客基盤は強固で、有料契約件数は15,676件ユーザー数ベースでは150万人とtoCプロダクトのような規模のサービスとなっています。
新規ユーザーの74.3%をリファラル経由で獲得しながら、件数ベースの月次解約率は0.37%と極めて低く抑えられており、PLG型の極めて効率的な成長を実現しているといえます。

2026年3⽉期通期決算説明資料
また顧客はPLG型としては珍しくSMBばかりでもなく、トヨタ、KDDI、三菱UFJ銀行、富士通など日本を代表する超エンタープライズ企業も導入。極めてプロダクトが強い会社であることが分かります。
まずは、急激な利益グロースを実現する構造改革の前に、その前提となる同社のビジネスモデルのセンターピンについて考察していきます。
プロダクトの強さで実現される「招待型PLG」と溢れ出すFCF
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績