一人当たり営業利益3000万円、利益率40%。ANYCOLORの圧倒的収益性実現の裏側

VTuber事業のビジネスモデルのポイントと同業カバーとの戦略の違い
もやし 2025.11.24
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企業の生産性を図る指標として、従業員一人当たりが生み出す売上・利益という指標が存在します。

これらの指標は一般的に設備投資が不要で売上の伸びと人の増加が比例しないプラットフォーム企業において高く、メルカリやビジョナルでは一人当たり営業利益1000万円という高い水準になっています。(従業員が五百人いれば500億円の営業利益)

ところがVTuberの『ANYCOLOR』は一人当たり営業利益が3000万円、営業利益率も40%弱と圧倒的な収益性の高さとなっており、競合のカバーと比較しても人当たり営業利益で約3倍、営業利益率で約2倍の水準となっています。(株価でも4倍の差)

今回はこれらを実現できるANYCOLORのビジネスモデル、従来のYoutuberプロダクションのUUUMや同業であるカバーとの、戦略の違いについて考察していきます

コマースがメインのビジネスモデル

同社の創業はUUUM創業から遅れること4年、最初のVTuberキズナアイ登場1年後の2017年5月に、当時早稲田大学の学生であった田角氏により創業されています。

創業から半年後の17年11月にVC業界では伝説となっているSkylandからのシード投資を受けたのち、17年〜20年の間にSBIインベストメント、KLab、ソニー・ミュージックなどから複数回の調達を行い、22年6月にグロース市場に上場しています。

その主な事業内容はVTuberグループ「にじさんじ」の運営で、最新25年4月期の通期売上高はYoY+34.0%の428億円、営業利益率は38.0%となっており、成長率・収益性共に極めて高くなっています。

売上収益は大きく4つに分散しており、ライブ配信等で醸成されたファンコミュニティに対し、グッズ/デジタルコンテンツやイベント等の販売を行うファンからのマネタイズと、企業からの広告収益でのマネタイズを行なっています。

このうち特に重要なのがコマース売上で、ライブストリーミングやイベントと異なり人の稼働やYoutubeへの手数料が発生せず原価も低いため、非常に利益率が高くなっています。このコマースが現状売上の65%を占め成長率も+47.0%と最も高くなっています。

ANYCOLOR 2025年4月期通期決算説明資料

ANYCOLOR 2025年4月期通期決算説明資料

このような圧倒的な成長率・収益性の高さで記事作成時点の25年11月24日現在、時価総額は4,000億円とメルカリと並び立つ高さとなっています。

一方、Youtuber事務所大手のUUUMは一時期時価総額が1000億円まで伸びるも、広告依存のビジネスモデルやトップYoutuberの相次ぐ離脱で時価総額は70億円まで低下。アドテクのフリークアウトの傘下に入る道を選択しました。

広い意味では同じYoutuberプロダクションであるANYCOLORとUUUM、VTuberとYoutuberは本質的にどこが異なり、同社はこのような成功を収めることができたのでしょうか?

VTuberのモデルの肝はIPとタレントの二面性

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続きは、4080文字あります。
  • 寡占構造のVTuber業界。2大事務所のビジネスモデルの違い

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