ラクスがAIエージェントの実装で描く、『楽楽自動応対』の次の成長
本日は国内SaaSでARR首位のラクス様に、同社が初めて提供した歴史あるSaaSサービス『楽楽自動応対』へのAI実装についてお伺いしました。
売上高30億円規模・累計導入社数9,000社以上(2025年3月時点)の、巨大サービスへのAI実装についてお聞きした貴重な内容になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
年間売上高30億円超。ラクスを支えてきたクラウド事業の祖業
ーーー楽楽自動応対がどのようなサービスなのか教えてください
楽楽自動応対は、もともとメールディーラーという名称で、創業翌年の2001年に開発したラクスとして初のSaaSサービスであり、長い間クラウド事業の売上を支えてきた事業です。
直近の売上高は前期比+9.2%の31.0億円となっており、16年連続売上シェアNo.1※となっています。
※ 出典:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2025」メール処理市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2009~2024年度予測)、同レポートには旧製品名(メールディーラー)で掲載
ーーー30億円超とは凄まじい事業規模ですね。続いて楽楽自動応対のターゲット顧客や機能概要について教えてください
楽楽自動応対は、もともとメールディーラーとして複数名で共有・管理するメールアドレス宛に届く問い合わせの管理を容易にするサービスで、主なお客様はカスタマーサポート(CS)部門です。
CS部門の課題として、問い合わせを複数名で行う際に「毎日大量の問い合わせが届きメール管理・応対の負荷が高い」「誰がどの問い合わせに返信したか分からなくなり、漏れや遅れが発生してしまう」、という悩みが存在します。
こうしたCS部門が抱える悩みを解消するツールとなっています。
ーーー導入企業の規模は、SMB企業とエンタープライズ企業どちらが多いのでしょうか
これまではSMB企業のお客様が多い傾向にありましたが、近年はエンタープライズ企業での導入も増えています。
今では、数名規模のお客様から大企業まで、かなり幅広い企業規模のお客様に導入いただいており、累計導入社数約9,000社という実績になっています。
16年連続売上シェアNo.1の理由と新市場への進出
ーーーその中で楽楽自動応対は16年連続売上シェアNo.1となっていますが、何がお客様に支持され、どのようにシェアを拡大してきたのでしょうか?
楽楽自動応対では、お客様の声を開発に積極的に取り入れていく文化が非常に強いです。お客様からの要望を随時取り入れているため機能が非常に豊富で、なおかつサポートも非常に充実していることが支持されています。
シェア拡大については、積極的なプロモーションに加え、口コミも非常に多いです。リリースから20年以上経っており、多くのお客様に導入いただいているため、「以前の職場で使っていた」といった紹介や口コミで広がってきました。
ーーー既に高いシェアを持つ楽楽自動応対としては今後どのような成長を描かれているのでしょうか
楽楽自動応対は、メールディーラーとして提供していた頃から、メール共有・管理や問い合わせ管理市場で、多くのお客様にご支持いただいています。
今後も問い合わせ管理という市場軸は大きく変えず、この領域での価値提供を広げていくことで、問い合わせ応対や管理に関わる人たちの業務効率化を支援していきたいと考えています。
その一環として、現在はAIを活用した機能の実装を進めています。楽楽自動応対を導入されるお客様の課題は「問い合わせ応対を楽にしたい」というところにありますが、その根本には人材不足という社会問題があります。
限られた人員の中で、いかに効率的に問い合わせ応対を行うかが、お客様が本当に解決したい課題です。そこに対してAIを活用した機能を取り入れることで、お客様の業務を支援していこうと考えています。
ラクスが描くAIエージェントのプロダクトへの実装
ーーー具体的にどのようなAI機能が検討・リリースされているのでしょうか
2025年7月に「カスタム生成」、2025年10月には「自動生成」というの機能の実装を行いました。
「カスタム生成」は、返信したい要点を入力するだけで、AIがビジネス文書として整ったメールを作成する機能です。
言葉遣いや表現も自然な形に調整するため、文章作成に自信のない新入社員の方でも安心してビジネスメールにふさわしい返信文を作成でき、メール作成時間の短縮が可能です。
「自動生成」は、楽楽自動応対内(お客様の環境内)に保存されている過去の送信メールなどを基に、AIが自動で問い合わせに対する適切な返信文案を作成してくれる機能です。
これにより、マニュアルの確認や過去メールを検索する時間を削減し、メール作成時間の削減に貢献します。弊社のカスタマーサポート部門では、マニュアルや過去履歴を検索・閲覧するという時間も含め、問い合わせ対応に約6分/件かかっていました。そこで、本機能を活用したところ、1件あたりの対応時間が約1分に短縮され、8割程の稼働削減につながっています。
この機能は、B2CとB2Bの両方で利用可能で、定型的な問い合わせの応対に有効です。AIがつくった返信文案が自動送信されるわけではなく、ユーザが確認し、使用するかどうか判断できるため、AIを始めて扱う方にも安心の仕組みになっています。
「自動生成」の重要なポイントは日々の返信メールから「ナレッジ」が蓄積されていく点です。
ナレッジの準備作業は多くのお客様にとってハードルとなりますが、メールディーラーを既にご利用のお客様であれば返信メールをもとに自動でナレッジ化されるため、特別な準備なく利用開始できます。
ーーー競合他社との差別化という点で、AI機能はどのような価値を提供すると考えていますか?
実は、過去の応対履歴を活用した返信文の自動生成機能の提供は弊社が業界初です。これまでのメール共有・管理だけでなく、応対業務の稼働そのものを削減するこの機能は、他社にはない、大きな付加価値だと考えています。
また、標準機能として追加料金なくご利用いただける点(一部制限あり)も大きなポイントです。AI機能というと完全な従量課金でのご提供が多い状況ですが、お客様に気軽にAIの利便性を感じていただきたいというラクスの想いから、標準機能としてご提供しております
ーーーAIエージェント機能の発表後、お客様の反応や導入状況に変化はありましたか?
はい、プレスリリースを配信してから、「製品名 AI」というキーワードで検索していただくことが増えています。お客様からは「プレスリリースを見たのでAI機能について教えてほしい」という問い合わせが非常に多くなり、AI機能がきっかけで契約に至るお客様も増えています。
新規で問い合わせいただくお客様は、会社からAI活用による業務効率化を求められているものの、「どう使えば良いかわからない」という方が多く、楽楽自動応対のAI機能をAI活用による業務効率化の第一歩として捉えていただいている印象です。
ーーーラクスが楽楽自動応対にAI機能を搭載することを決定した社内議論の背景について教えてください。
実は昨年からAIを使った機能はリリースしていましたが、今年に実装した「カスタム生成」や「自動生成」については今年4月頃から急速に開発が加速しました。
ChatGPTなどの登場でAIが身近になり、AIを活用した自動化・効率化ニーズが急速に高まる中で、楽楽自動応対を活用・検討されるお客様においても、AI活用による業務効率化を求めていくだろうという議論が社内でもありました。
そうした議論の中で、お客様の新たなニーズや時代の変化へスピーディーに応えるべく、一気にブーストをかけて開発を進めていきました。
ーーー今後の楽楽自動応対のAI機能開発の方向性について教えてください。
最終的には問い合わせ応対の「完全自動化」を目指しています。お客様の人手不足や問い合わせ応対の課題を解決するため必要な機能を、着実に実装することで完全自動化へ向けて進めていく方針です。
こうした展望もあり、今後のサービスの提供価値を踏まえて、「メールディーラー」から「楽楽自動応対」という名称に変更しました。
ーーー最後にラクスとして、AIをプロダクトに実装することで、社会やお客様にどのような価値を提供していきたいか教えてください
AIはあくまで裏側の技術・手段の一つと捉えており重要なのは「お客様の業務を楽にする」という目的の部分です。
これまでヒトが手作業で行なっていた業務についてAIを実装していき、「お客様の業務を楽にする」という従来の価値をより厚く提供していきたいと考えています。
16年連続売上シェアNo.1※!AIを搭載した問い合わせ自動応対システム「楽楽自動応対」
ラクスが開発・販売する「楽楽自動応対」は、AI機能を活用して、過去の応対履歴をナレッジ資産として再活用する問い合わせ自動応対システムです。
過去応対履歴をもとにした返信文の生成やメールの内容を踏まえて優先順位付けを行うリスク検知機能によりメール応対業務を自動化。
さらに、応対状況の見える化によって、属人化や対応漏れ・遅れといった課題を解消し、問い合わせ応対業務の効率化を実現します。
2001年の提供開始から、お客様のニーズをもとに機能開発を行い、より便利で使いやすいシステムへと進化してきました。これにより、現在では累計導入社数は9,000社を超え、16年連続売上シェアNo.1を獲得しています。
■サービス詳細はこちら
※出典:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2025」メール処理市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2009~2024年度予測)、同レポートには旧製品名(メールディーラー)で掲載
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