プリクラシェア94%の独占企業フリューの、年間140%成長する第二の柱

プリクラの独占的シェアを背景とした高収益と急成長事業について考察
もやし 2025.04.02
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国内プリクラ機の設置台数シェア*で94%を抑えるフリュー。女子中高生の殆どが入る会員事業ピクトリンクの課金収益と、ゲーセン向けのプリントシール販売収益という二つの安定収益を持つ高収益企業です。

*22年夏時点

少子高齢化の進行と共に主力のプリクラ事業のパイは徐々に縮小していくと見られますが、IPを活用したキャラクターMD事業(世界観ビジネス)が急成長し、売上の半分以上を抑えるに至っています。

この二つの素晴らしい事業を保有する同社の、プリクラで独占的シェアを確保できる背景、直近のキャラクターMD事業の成長要因、今後の成長戦略について考察していきます。

プリクラで稼ぐ安定したCFをキャラクターMDに投資

フリューの起源はオムロンのエンタメ事業となっており、2007年に当時のオムロンエンターテイメント社からMBOで独立。その後2015年に東証一部に上場し現在に至ります。

現在も同社を支えるプリントシール機事業(プリクラ事業)には、オムロン時代の1998年のに参入。2002年にはプリントシール機事業の卸先であるゲーセンへのクロスセル商材として、クレーンゲーム景品を扱うプライズ事業に参入。こうして現在主力となる二つの事業が立ち上がっています。

直近の通期の売上高はYoY+17.5%の427億円、営業利益率は8.6%の37億円となっています。
主力は前述の世界観ビジネスとプリクラを中心としたガールズトレンドビジネスで、世界観ビジネスがYoY+42.6%と非常に高成長である一方、ガールズトレンドビジネスは利益率27.6%と利益率が非常に高くなっています。

ガールズトレンドビジネスで稼ぐ安定収益を世界観ビジネスやニュービジネスに投資しトップラインを成長させる構造となっていると共に、後者が直近急成長していることでミックスが変化し利益率がやや引き下がっています。

2024年3月期 決算説明資料

2024年3月期 決算説明資料

まずは会社の基盤を支えるプリクラ事業について詳しく見ていきます。

調査と技術力に裏打ちされたニッチ領域での独占的シェア

プリクラビジネスはBtoBtoCのような構造になっており、まずフリューのプリントシール機をゲーセンを中心としたアミューズメント施設が導入。

エンドユーザーとなる女性中高生はゲーセン等に訪れた際に一回あたり400円〜500円を支払うことで撮影を行いシールを獲得。データはフリューの月額制の会員サイト『ピクトリンク』からDLできる導線となっています。

フリューのマネタイズはスポットのアミューズメント機本体と撮影で必要になるシール紙を合わせた消耗品収益と、撮影データをDLできるサイトの月額¥300の課金収益の二つになります。

この事業の第一の魅力はプリントシール機を一度入れると、シール紙販売収益と会員課金収益というリカーリング性の高い収益が発生し続ける点です。加えて94%という圧倒的なシェアを抑えていることで価格決定力が高い点です。

直近もシール紙を¥132→¥175という率にして+27.4%にもなる値上げを行なっており、値上げを行なった機種の設置台数シェアの広がりと共に利益率が向上しています。

2023年3月期 決算説明資料

2023年3月期 決算説明資料

こういった魅力的な構造もあり、フリュー(当時オムロン)が参入した1998年はプリントシール機の大ブームで市場には、パナソニックや日立、アトラス等数多くの企業が参入。

同社はそこに最高発で参入し現在の地位を築いていますが、これには大きく3つのポイントがあったと考えられます。市場の歴史を振り返ると共に同社の勝因について考察していきます。

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