国内病院初のNASDAQ上場。湘南美容外科の目指す美容のLVMH
美容外科・皮膚科で国内トップシェアの湘南美容外科のSBC Medical Holdings(以下SBC)が、国内の病院グループとしては初のNASDAQ上場を果たしました。
日本国内では株式会社による病院経営が行えないため、IPOを含む資本市場からの調達も通常不可能です。
本エントリではSBCのNASDAQ上場時のS-1を読み解きつつ、同社の上場スキームや、ゴリラ・リゼという業界トップ2社の買収、M&Aを活用した成長戦略について纏めていきます。
Yahoo Financeより
幅広いポートフォリオで安定した収益基盤を構築
湘南美容外科の期限は2000年にSBC代表の相川氏が立ち上げた『藤沢院』を起源としており、現在は国内外220院まで拡大。
ポートフォリオは祖業の外科以外にも幅広く分散しており、皮膚科や脱毛(女性向け+男性向け)まで幅広く展開。
美容外科は単価や利益率は高いものの、単発で終わりやすい、長期休暇の時期に集中する、という特徴があります。
シーズンを問わず需要があり施術回数も多い皮膚科や脱毛を保有することで、収益のボラを下げつつ、高利益な経営を実現していると考えられます。
23年にはリゼ、ゴリラも傘下に加え、男性向け脱毛市場で一位+二位、女性向け市場で一位+四位の合併という弩級の買収が実現。
その結果、美容外科・皮膚科で店舗数シェア31%、脱毛市場で22%という高いシェアを抑える、巨大病院グループが形成されています。
SBC Medical 投資家プレゼンテーション資料 September 2024
しかし、上述のように日本では株式会社による病院経営は規制されているはずですが、どのように今回の上場が実現されたのでしょうか?