最後発でシェア40%・純利益40億円。サイバーの最強競輪サービス『WINTICKET』
サイバーエージェントの"隠された"至宝
スタートアップ関係者で知らない人間はいないサイバーエージェントですが、同社のメディア事業と聞くと思い浮かべるのはABEMA TVではないでしょうか。年間100億円規模の投資を行いWAUは2000万を超え、ワールドカップの無料放映が話題を呼びました。
そんな関連事業も含めたABEMA事業はサイバーのメディア事業408億円の大半を占め、会社の看板事業といっても過言ではありません。しかし、ABEMA関連事業のグラフをよくみると格闘技のPPVや月額課金、広告を遥かに上回る周辺事業と雑に括られたセグメントが圧倒的なシェアを占めることに目が行きます。この中にひっそりと隠れているサイバーのお化け事業が、スマホ競輪の『WINTICKET』です。
サイバーエージェント24年1Q決算説明資料より
サイバーエージェント23年4Q決算説明資料より
瞬く間に市場シェア40%を抑えるお化け事業
WINTICKETはメディア事業の中のABEMA周辺事業と位置付けられる事業で、四半期の取扱高(ECでいうGMV)は990億円、しかもこの規模でYoY+30%ととんでもないスピードで成長しています。
サイバーエージェント23年4Q決算説明資料より
サイバーの中の人ではないので、利益率やARPU等の詳細は窺い知ることはできませんが、決算公告を漁ってみたところ、何と23年時点で年間40億円もの純利益を稼いでいることが分かりました。メディア事業はいまだに赤字ですが、WINTICKETが事業全体を支えていることは間違い無いでしょう。
官報決算データベースより
サイバーエージェント23年4Q決算説明資料より
事業の開始自体は19年4月と比較的直近で、サービス開始時点ではチャリロト(MIXI社が買収)や楽天Kドリームス等の競合が市場に多数存在する状況でした。にも関わらずサービス開始初年度から取扱高261億円、4年で全ての競合を抜き去り市場シェア42%を抑えています(23年6月時点)。何が優位性にになりこのような事業成長を実現できたのでしょうか。
サイバーエージェント23年3Q決算説明資料より