Day1からの囲い込みとOps改善の徹底で20期連続増収増益。SMSの成長を支える仕組み
日本国内のヘルスケア領域では多数のプレイヤーが事業を展開していますが、その中でも一際異彩を放つ一社が、IPO後も継続的に成長し時価総額が一時4,000億円に達していたSMSです。
創業以来20年連続の増収増益を続け、Vertical SaaSとしても国内最大規模。スタートアップのピッチでは真っ先に仮想敵として名前が上がるリクルートを、看護領域では撤退に追い込みました。
本日はSMSの、創業当時からの徹底した囲い込みにる参入障壁の構築と、金融でも大きな収益を上げるSaaS事業、徹底したオペレーション改善の仕組みについて、考察していきます。
2024年3月期 決算および会社説明資料
人材紹介を基盤に介護・看護領域で多様なポートフォリオを展開
まずは同社の事業概要についてみていきます。
直近24年度の通期売上高はYoY+18%の539億円、営業利益は90.9億円。粗利率も一貫して88%〜89%と極めて高い水準となっており、利益を出しながら二桁の成長を20年間継続しています。
売上の6割を医療(主には看護師)+介護分野の人材紹介事業、介護・福祉施設向けのVertical SaaSであるカイポケと海外事業が20%弱づつを占めており、医療・介護を中心に複数の事業を展開。
医療分野の人材紹介事業が創業時からの事業の柱であり、成功モデルを周辺領域にも横展開しつつ、SaaSや海外での買収等に投資することで成長してきました。
看護・介護領域の転職における同社のシェアは共に業界トップの25%〜30%程度、カイポケ事業も国内では最大手の一角となっており、業界で極めて高いプレゼンスを持つことが分かります。
どのようにして今日のような魅力的な事業ポートフォリオを構築してきたのでしょうか?
2024年3月期 決算および会社説明資料
創業時からの徹底した囲い込み。パラノイアだけが生き残る
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- 債権総額100億円。Vertical SaaSの王道をいくカイポケの成長戦略
- 骨の髄まで染み込んだオペレーション改善の仕組み
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